体育館の冷たい床に座り込んで、また涙が溢れそうになった。
「ミスばっかりして、足引っ張らないでよね」
練習後、ロッカールームで聞こえてきた古株メンバーの声。私に聞こえるように、わざと大きな声で。
「楽しみたくて始めたバレーなのに、なんでこんなに苦しいんだろう…」
あなたも今、同じ気持ちを抱えていませんか?
週2回の練習が、いつの間にか「恐怖の時間」に変わってしまった。グループLINEの通知音が鳴るたびに、胸がギュッと締め付けられる。また私の悪口だろうか。また何か言われるんだろうか。
「もう辞めたい。でも、辞めたら負けた気がする。子供にも『ママは根性なし』って思われるかもしれない…」
私も、かつて同じ地獄を経験しました。
私が経験した「ママさんバレーの闇」
入部して3ヶ月目のある日、チーム内の力関係が一気に見えた瞬間がありました。
「新人は球拾いからね。先輩たちがプレーする時は邪魔しないで」
入部時に「楽しく和気あいあいとやってます!」と笑顔で勧誘してくれた古株のAさんが、冷たい目でそう言い放ちました。
試合でミスをすれば、露骨にため息。パスを出しても無視。グループLINEでは既読スルー。飲み会の連絡だけは、私にだけ来ない。
「どうして?何か悪いことした?ただバレーが好きで入っただけなのに…」
夜、布団の中で何度も反芻しました。家族に心配かけたくなくて、笑顔で「楽しいよ」と嘘をついていました。
でも、本当は違った。
毎週の練習前、胃が痛くなる。体育館に向かう車の中で、何度も「今日は休もうか」と迷う。練習後は疲労感よりも、精神的なダメージで帰宅後すぐに横になる。
「家族との時間を削ってまで、こんな思いをして続ける意味って何?」
そう思った時、私は決断しました。
「このまま我慢し続けるのは、自分を殺すことと同じだ」と。
なぜ古株は意地悪をするのか?その心理構造
あなたを苦しめている古株メンバーの意地悪。これは「あなたが悪い」からではありません。
実は、閉鎖的なコミュニティ特有の「権力構造」が生み出す、必然的な現象なのです。
古株メンバーにとって、ママさんバレーのチームは単なる趣味の場ではありません。それは彼女たちの「居場所」であり、「承認欲求を満たす唯一の場所」なのです。
家庭では「母親」「妻」という役割に埋もれ、社会からは「専業主婦」と軽視される。そんな中で、ママさんバレーのチーム内だけは「先輩」「実力者」として尊敬される。
だから、新しいメンバーが入ってくることは、彼女たちにとって「脅威」なのです。
特に、あなたが若い、または上手だったりすると、その脅威はさらに増します。
「この子が活躍したら、私の居場所がなくなるかもしれない」
そんな無意識の恐怖が、意地悪という形で表面化しているのです。
でも、理解できたとしても、許せるものではありません。
あなたの心の健康、家族との時間、そして何より「バレーを楽しむ権利」は、誰にも奪われてはいけないのです。
あなたには4つの選択肢がある
「辞めるしかないのかな…」
そう諦めかけているあなたに、私が実際に試した、または周囲の仲間が試した4つの選択肢をお伝えします。
どれが正解かは、あなたの状況、性格、そして「何を大切にしたいか」によって変わります。
選択肢1:スルースキルを習得する【精神的自立の道】
「相手にしない」という最強の武器を手に入れる
古株の意地悪に反応しない。それが、彼女たちの攻撃を無力化する最も効果的な方法です。
具体的な実践方法
1. 心の中でシールドを張る 嫌味を言われた瞬間、心の中で「透明なシールド」を想像します。彼女たちの言葉は、そのシールドに当たって跳ね返る。あなたの心には届かない。
2. 「かわいそうな人だ」と哀れむ 意地悪をする人は、実は心が満たされていない人です。「こんな行動でしか自分を保てないなんて、かわいそうだな」と心の中で哀れみましょう。怒りが消えていきます。
3. 必要最低限の関わりに徹する 挨拶と業務連絡だけ。それ以外は関わらない。グループLINEは「既読」だけつけて返信しない。飲み会は理由をつけて断る。
4. 自分の「楽しみポイント」だけに集中する バレーそのものの技術向上、試合でのプレー、仲の良いメンバーとの会話。それだけに集中し、古株の存在を「風景」として扱う。
この選択肢のメリット
- チームを辞めずに続けられる
- 精神的に強くなれる(他の場面でも役立つスキル)
- 時間が経てば、古株も諦める可能性がある
この選択肞のデメリット
- 精神的負担が完全に消えるわけではない
- スルースキルの習得には時間がかかる
- 根本的な解決にはならない
この選択肢が向いている人: 「バレーそのものは続けたい」「この環境で自分を鍛えたい」「転居予定など、どうせ数年で辞める」という方。
選択肢2:圧倒的な実力をつける【実力で黙らせる道】
文句を言わせない技術で、立場を逆転させる
これは、私が実際に選んだ道です。
悔しさをバネに、誰よりも練習し、誰よりも上手くなる。そして、試合で結果を出す。すると、古株も無視できなくなります。
具体的な実践方法
1. 自主練習を徹底する 週2回の練習だけでは足りません。自宅で壁打ち、公園でジャンプ力強化、YouTubeで技術動画を見て研究。圧倒的な努力量で差をつけます。
2. 外部のスクールや個人レッスンを受ける お金はかかりますが、プロから技術を学ぶのが最速です。特にサーブ、レシーブ、スパイクの基礎を徹底的に叩き込みます。
3. 試合で結果を出す 練習試合でも公式戦でも、「あなたがいないと勝てない」と思わせるプレーをする。決定打を打つ、レシーブで流れを変える、冷静な判断でチームを救う。
4. 謙虚さを忘れない 上手くなっても、態度は謙虚に。「みなさんのおかげです」と言い続ける。これが、古株の反発を最小限に抑えるコツです。
この選択肢のメリット
- バレーの実力が本当に上がる
- 自信がつき、他の分野でも積極的になれる
- 古株が態度を変えることがある(全員ではないが)
- 「負けた」という感覚がない
この選択肢のデメリット
- 時間とお金がかかる
- 肉体的にハード
- それでも態度を変えない古株もいる
- プレッシャーが増す
この選択肢が向いている人: 「悔しさをバネにできる」「バレーが本当に好き」「負けず嫌い」「努力することが苦にならない」という方。
選択肢3:別のサークルを探す【新天地で再スタートの道】
毒のある井戸から、清らかな泉へ移る
同じママさんバレーでも、チームによって雰囲気は全く違います。
古株の意地悪がない、本当に「楽しむこと」を大切にしているチームは、必ず存在します。
具体的な実践方法
1. 地域の体育館や市役所で情報収集 多くの自治体では、ママさんバレーのサークル一覧が公開されています。また、体育館の掲示板にも募集があります。
2. 見学・体験入部を必ず行う 入る前に、必ず雰囲気を確認しましょう。特に以下をチェック:
- メンバー同士の会話の雰囲気(笑顔があるか)
- 新人への接し方(優しいか、歓迎ムードか)
- 年齢層(幅広い年齢層の方が風通しが良い傾向)
- 監督やコーチの人柄
3. 複数のチームを見学する 最低3つは見学してください。比較することで、「良いチーム」の基準が見えてきます。
4. 今のチームは円満に辞める 「仕事が忙しくなった」「家庭の事情」など、角が立たない理由で辞めましょう。変に正直に話すと、さらなる嫌がらせのリスクがあります。
この選択肢のメリット
- 精神的ストレスから完全に解放される
- 新しい仲間との出会い
- バレーを純粋に楽しめる環境が手に入る
- 「人生は選択できる」という自信がつく
この選択肢のデメリット
- 新しい環境に慣れるまで時間がかかる
- 良いチームが見つからない可能性もある
- 今のチームの良い人との関係も終わる
- 「逃げた」と自分を責める可能性
この選択肢が向いている人: 「今のチームには未練がない」「新しい環境を楽しめる性格」「近隣に他のチームがある」という方。
選択肢4:監督やコーチに直談判する【正面突破の道】
組織のルールを使って、問題を公式化する
意地悪は、実は多くのチームで「禁止事項」として規約に明記されています。
監督やコーチに相談することで、組織的に解決できる可能性があります。
具体的な実践方法
1. 証拠を集める
- グループLINEのスクリーンショット
- 意地悪の内容を日記に記録(日時、場所、誰が、何を言ったか)
- 可能であれば、同じ被害を受けている人と共同で相談
2. 監督/コーチとの個別面談をセッティング 練習後ではなく、別日に時間を取ってもらいましょう。「チームの雰囲気について、相談したいことがあります」と伝えます。
3. 感情的にならず、事実を淡々と伝える 「〇〇さんが嫌いです」ではなく、「〇月〇日、〇〇さんから『△△』と言われました。これが複数回続いており、練習に集中できません」と具体的に。
4. 要望を明確に伝える
- 「チーム内のハラスメント防止ルールを明確にしてほしい」
- 「古株メンバーへの注意喚起をしてほしい」
- 「チーム全体でミーティングを開いてほしい」
この選択肢のメリット
- 根本的な解決の可能性がある
- 他の被害者も救われる
- チーム全体の雰囲気が改善される
- 「声を上げる勇気」が身につく
この選択肢のデメリット
- 監督が味方になってくれるとは限らない
- 古株の反発が激化するリスク
- チーム内で「告げ口した人」と見られる可能性
- 精神的に疲弊する
この選択肢が向いている人: 「このチームを良くしたい」「他の被害者も救いたい」「正面から問題に向き合える強さがある」という方。
どの選択肢を選ぶべきか?決断のための3つの質問
4つの選択肢を提示しましたが、どれを選ぶかはあなた次第です。
以下の3つの質問に、正直に答えてみてください。
質問1:「あなたは、このチームでバレーを続けたいですか?」
→ YES なら: 選択肢1(スルースキル)、選択肢2(実力向上)、選択肢4(監督に相談) → NO なら: 選択肢3(別のサークル)、または完全に辞める
質問2:「あなたは、努力や戦いを楽しめるタイプですか?」
→ YES なら: 選択肢2(実力向上)、選択肢4(監督に相談) → NO なら: 選択肢1(スルースキル)、選択肢3(別のサークル)
質問3:「今のチームに、守りたい仲間や思い出がありますか?」
→ YES なら: 選択肢1、2、4で残る道を選ぶ → NO なら: 選択肢3で新天地へ
私が選んだ道、そしてあなたへのメッセージ
私は、選択肢2(実力向上)を選びました。
悔しさをバネに、毎日練習しました。YouTubeで技術を研究し、早朝に公園で壁打ちをし、週末は個人レッスンを受けました。
半年後、地区大会で私のスパイクが決勝点になりました。
その瞬間、古株のAさんが、初めて私に「ナイス!」と声をかけてくれました。
完全に関係が良くなったわけではありません。今でも、時々冷たい態度を取られます。
でも、私は変わりました。
「この人たちに認められるために、バレーをしているんじゃない。自分が楽しむために、上達したいから、やっているんだ」
その境地に達した時、古株の意地悪は、もう私を傷つけることができなくなりました。
あなたに、一つだけ伝えたいことがあります。
「バレーは、楽しむためにある。我慢するためじゃない」
あなたの笑顔を奪う権利は、誰にもありません。
古株の意地悪に耐え続ける義務も、ありません。
辞めたいなら、辞めていい。 別のチームを探してもいい。 戦ってもいい。 スルーしてもいい。
どの選択をしても、あなたは「逃げた」わけじゃない。
「自分の心を守る」という、最も勇気ある選択をしただけです。
私は、あなたの決断を応援しています。
あなたが再びバレーを心から楽しめる日が来ることを、心から願っています。