「また、ミスした…」
体育館に響くボールの音。周りの視線が突き刺さる。頬が熱くなり、手が震える。
「次は絶対に入れなきゃ」と思えば思うほど、体は硬直し、サーブは明後日の方向へ。
もしかして、あなたもこんな経験をしていませんか?
サーブが入らない本当の理由は「技術」じゃなかった
私がママさんバレーを始めたのは3年前。子育てが一段落し、「久しぶりに体を動かしたい」という軽い気持ちからでした。
最初は楽しかった。アタックが決まった時の爽快感、仲間と笑い合う時間。でも、ある日を境に、バレーが恐怖に変わりました。
それは、試合でのサーブミスが続いた日のこと。
1本目のサーブがネットに引っかかった瞬間、チームメイトの一人が小さく舌打ちをしたんです。
「大丈夫だよ」という言葉とは裏腹に、冷たい空気が流れました。
2本目。手が震える。「入れなきゃ」という焦りが全身を駆け巡る。結果、またネット。
「ごめんなさい…」と謝る私に、誰も目を合わせてくれませんでした。
その日から、サーブが怖くなりました。
練習すれば上手くなる?その思い込みが私を追い詰めた
「もっと練習すれば上手くなる」
そう信じて、自主練習を重ねました。YouTubeで上達動画を見て、フォームを研究し、壁打ちを繰り返す。
でも、試合になると体が言うことを聞かない。
練習では入るのに、本番で入らない。
「なんで私だけ…」
周りのママさんたちは笑顔でサーブを打っている。ミスしても「ドンマイ!」と声をかけ合っている。
なのに私は、サーブを打つ順番が回ってくるたびに、胃が痛くなる。手のひらに汗をかき、心臓が早鐘を打つ。
「このままじゃチームの足を引っ張るだけ…もう辞めた方がいいのかな」
そんな考えが頭をよぎるようになりました。
ある日、コーチに言われた一言が全てを変えた
転機は、偶然出会ったベテランコーチの言葉でした。
練習後、落ち込む私に、コーチはこう言ったんです。
「サーブが入らないのは、技術のせいじゃない。心が入らないからだよ」
その言葉に、ハッとしました。
「あなたは『失敗してはいけない』と思いすぎている。完璧なサーブを打とうとして、体が固まってるんだ」
コーチは続けました。
「プロの選手だって、100%完璧なサーブなんて打てない。大事なのは、失敗を恐れずに思い切って打つこと。そして、失敗しても自分を責めないこと」
メンタルの呪縛を解く4つの処方箋
コーチのアドバイスと、そこから学んだ心理学の知識をもとに、私は4つの方法を実践しました。
1. ルーティンの確立:心を「無」にする儀式
サーブを打つ前に、必ず同じ動作をするようにしました。
- ボールを3回床に弾ませる
- 深呼吸を1回する
- 遠くの一点を見つめる
これは、テニスのプロ選手がよく使う方法です。決まった動作をすることで、余計な思考を排除し、集中力を高める効果があります。
最初は「こんなので変わるの?」と半信半疑でしたが、不思議と心が落ち着きました。
2. 確実なフォーム固め:「7割の力」で打つ
今まで私は、「絶対に入れる!」という気持ちで全力でサーブを打っていました。
でも、それが逆効果だったんです。
コーチに教わったのは、**「7割の力で、確実に入るフォームを体に覚えさせる」**という方法。
力を抜くことで、体の無駄な緊張がほぐれ、かえってコントロールが良くなりました。
弓矢を思い浮かべてください。的を狙いすぎると力んで外れる。でも、リラックスして放った矢が、的の中心を射抜く。サーブも同じでした。
3. 深呼吸法:不安を「呼吸」で流す
試合前や、サーブの順番が近づいてきた時、私は必ず深呼吸をするようにしました。
4秒かけて鼻から吸い、7秒止めて、8秒かけて口から吐く(4-7-8呼吸法)
これは、心理学で「副交感神経を優位にする」と言われる方法で、不安や緊張を和らげる効果があります。
最初は半信半疑でしたが、実践してみると、体の力がスッと抜けるのを感じました。
4. 失敗許容の心理学:「完璧」を手放す勇気
一番大きかったのは、「失敗してもいい」と心から思えるようになったことです。
コーチはこう言いました。
「失敗は悪いことじゃない。失敗から学ぶことで、人は成長する。ミスを恐れて何もしない方が、よっぽど問題だ」
この言葉に、私は救われました。
完璧を目指すのをやめたら、サーブが入るようになったんです。
矛盾しているようですが、これが真実でした。
3ヶ月後、私はコートで笑えるようになった
今では、サーブの順番が回ってきても、心臓がバクバクすることはなくなりました。
ミスしても「次、頑張ろう!」と思えるようになり、チームメイトも「ドンマイ!」と笑顔で声をかけてくれます。
何より嬉しいのは、バレーが再び「楽しい」と思えるようになったこと。
サーブの成功率も上がりましたが、それ以上に、心が軽くなりました。
あなたも変われる:今日からできる小さな一歩
もしあなたが今、サーブのメンタルで悩んでいるなら、まずはこの一つだけ試してみてください。
「次のサーブは、7割の力で打つ」
それだけです。
完璧を目指さない。ただ、7割の力で、確実に入るフォームで打つ。
その一歩が、あなたの心を軽くし、サーブを変えるきっかけになるかもしれません。
最後に:サーブは「心の鏡」
サーブが入らないのは、あなたが下手だからではありません。
心が緊張しているから、体も緊張しているだけ。
心が解放されれば、体も自由になる。
そして、サーブは自然と入るようになります。
あなたがママさんバレーを始めたのは、楽しむためだったはず。
失敗を恐れず、笑顔でコートに立てる日が、必ず来ます。
その日まで、一緒に一歩ずつ進んでいきましょう。